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「──!」
一気に扉を開けた時、白煙と黒煙を先に侵入させようと思った刹那、肌を突き刺すような電流が腹部に直撃し、次にそれは全身を駆け巡る。
くそっ。開けた直後の攻撃は予想していたが、電気系統か。
力が抜け、膝が地につく。
前を見ると、正面には漆黒の槍を構えた男が立っていた。
槍は柄が黒く、先端の鋭い刃には電光を纏っている。
「真田幸村か」
少し離れた後ろの場所には、ライオンの顔を象ったかのような、巨大玉座が設置されている。
そこには、これほどまでにこの玉座が似合う人間はいないと言ってもおかしくはないほどの、赤い羽織の着た大男。
あれが近藤勇か。
「如何にも。俺は真田幸村だ!お前の名は何と申す!」
暑苦しそうな奴だな。
「お前に答える必要はない」
「ならば結構!」
真田は槍を構え直すと、空を突き、先端の刃に纏った電光を正確に飛ばす。
俺は即座に横へ転がり、それを回避した。
地に当たった電光は火花を散らし、床を砕くように破壊する。
いくぞ。神刀。
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