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真田は突きを繰り返し、刃から幾つもの電気を飛ばしだす。
それに合わせるように神刀は傘の形へと変化し、次々に放たれる攻撃を防いだ。
打撃のように奏でられる重たく鈍い音。
俺は屈んだまま身を傘に隠した。
あの槍は雷撃一刃。なかなかの武器だな。
打撃のような効果を持った雷を放つことができる、なかなかの代物だ。
これじゃあ身動きが取れないな。
屈んだ体勢は思いの外、傷に響く。腹から流れる血は、あっという間に床に小さな赤い水たまりを作った。
この雷撃を防ぐ手立ては、どうすればいい。
雷鳴を轟かせ、真田は手を休めることなく、一瞬の隙も与えぬように攻撃を繰り返す。
心の中では神刀の楽しそうな声が響き渡った。
『ヒャハハハハ!動けないなんて最高に情けないな!俺がいなきゃお前は死んでるぜ!』
さっきから逃げてばかりの戦いに、神刀は不満を抱えているのが、言動からも明白だった。
安心しろ。こいつは殺す。
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