戦争の行く末

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─────ヒカル───── 異様な空気が漂う中、局長の不可思議な様が目立ち始める。 「局長?」 天草の言葉にも反応もせず、視線は白目をむくように天井に上がった。 腕を組んで静止していたはずが、風船のように膨れ上がり始める。 先に天草がその異変に気付き、地を蹴って局長から距離をとった。 一瞬、遅れて逆に俺は真田の体を目指してスタートを切る。 ここで真田の首を失うわけにはいかない。 命力が膨れ上がることで体のサイズが変わっていってるんだ。 ダミーか。やるな。まさに特攻隊のような作戦。 様々な防御部隊を潜り抜けて、ここまで侵入した敵だけは、もろとも道ずれにする仕掛けか。 局長は別の場所にいる。 初めから全て仕組まれていた。 奴等を甘くみていたかもしれない。 チームの勝率が上がるならば、己の命も捨てるわけか。 「あわわわわわわ!どうしよう!あー!あわわわわ!」 距離をとりながら天草は、明らかに動揺している。 反応からして、本当に極秘に進められた作戦のようだな。 局長の体は、瞬く間に風船に空気を入れたように膨れ上がった。 時間がない!
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