戦争の行く末

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自分の名前が呼ばれ、反射的に心臓が大きな音を奏でる。 俺を知っている……? 見覚えがない風貌。一瞬にして、頭の中で心当たりを探るがそれらしい答えが見つからない。 足元がおぼつかない男は壁まで近づき手のひらをついた。 そこまできて初めて気がつく。 もう片方の手には大量の髪の毛が握られていた。 その先に続くのは人間の顔。 動揺しながらも、見定めると人間の生首らしき物であることがわかった。 薄暗いせいで、顔までは見えないがおそらく男性。 それとは別にもう一つ気になること。 男は見るからに弱っていて、明らかに息絶える寸前のように思える。 焦げ付いた全身と、おそらく致命傷である怪我。 多分、多分だが、もうすぐ死ぬのではないだろうか。 「俺を忘れたか?」 問いただす男の質問に、さらに戸惑いを覚える。 『君はすぐに油断するな。気を付けろ。そして、はるかという女と巻き込まれたヴァンパイアのクエストを思い出せ。あの時も君は油断して死にかけた。これは敵の作戦かもしれない。敵は新撰組の顔を全員把握している可能性だってあるんだ』 確かにそうだ。その可能性だってある。 俺は不意に、さっきまで居た柳生組長の言葉を思い出した。 一番始めに訪れた男。 龍の心臓。
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