985人が本棚に入れています
本棚に追加
覚束ない手で、ヒカルはDIMを耳に当てた。
『止めなくていいのか?』
いや。この状況で殺すのは、俺には無理だ。
『君が殺られるかもしれないんだぞ!』
だけど……俺には……。
俺には出来ないと悟った時、ヒカルはDIMに向かって喋り始めた。
既に自分のことに必死で、周りの状況が見えてないみたいだ。
「二宮か……ああ。多分もうすぐゲームオーバーだ。いや。大丈夫。時間がない。用件だけ伝えるぞ。シャルキーが言ってた通り、京香は生きている。居場所は龍の心臓だ。天海にすぐ調べさせろ。空とルイには計画の最終準備を進めさせてくれ。ああ。それは大丈夫だ」
知らない名前が次々に出てくる。何だ?
メビウスの輪のメンバーか?
ここで殺さないとまずいのか?
次の瞬間、ヒカルの言葉に頭の中が真っ白になった。
「それとはるかが死んだ。捜索しているユキヤに伝えてくれ。犯人は見つけ次第、容赦なく殺せ」
最初のコメントを投稿しよう!