戦争の行く末

31/40
前へ
/40ページ
次へ
────ミラ・リンダ──── 黒い星に乗った敵を取り逃がしてからのこと。 見渡せば白と黒の煙に紛れて、多くの敵が私達を包囲していた。 それから……。 「さすがですね」 息を飲みながら、私は土方さんを見た。 こちらもかなりやられた。まともに残っているのは私と土方さんぐらいだろう。 周りを見渡せば、白のスカーフを巻く敵が血を流して倒れる中、誠の羽織を着た者達が所々に横たわる。 「あー。もう殺していいよ。殺してくれ」 目と耳を塞ぎたくなるような残虐な光景。 「どうした?もう終わりか?」 土方の足下では、メビウスの輪の四大元素である炎神が仰向けで地に寝転がる。 私達に奇襲をかけた最後の一人。 敵は潔く死を受け入れていた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

985人が本棚に入れています
本棚に追加