戦争の行く末

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膝部分まで凍りついた両足は、先ほど破壊され敵は歩く術を失ってしまった。 刀を持っていた右腕は、私の爆破能力によって二の腕まで抉れている。 もう動けることはないでしょうね。 「光刀を殺られたんだ。俺にはもう戦う手段がない」 そう。彼から少し離れた場所には、地に突き刺ささる折れた刀身。 柄から切っ先まで純白の刀は、先ほど呆気なく折られてしまった。 「残念だったな」 土方さんは意地悪そうな興奮した笑みを浮かべるが、疲労しているのは明らか。 やはりポセイドンの攻撃を防いだことにより、相当な命力を削られたようですね。 私は屯所の方を振り返り、頂上を見上げた。 つい先刻、局長のダミーが爆発した。 ほぼ同時に真田幸村の死亡の知らせ。 屯所の上部は見る影もなく吹き飛び、瓦礫が辺りに散らばっている。 選局はこちらが押されていると見ていい。 炎神は怯えのない真っ直ぐな眼差しで、地から土方さんを見上げている。 「メビウスの輪は負けないさ」 敵の瞳に曇りはなかった。
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