戦争の行く末

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「そう願いながら死んでいくのは悪くはないだろうな」 土方さんが炎神に手を翳すと、みるみるうちに全身が凍りついていく。 敵ながら素晴らしい攻守だった。刀の能力を巧みに使い、炎の能力で追撃を加える。 どちらも中途半端なものでしたがね。 そして、相手が土方さんだったこと。 躊躇いや遠慮を知らない人の心を捨てた野獣に勝る者は、なかなかいないでしょう。 敗因はそこにあると思います。 それにしても敵の刀は不思議な存在だった。 白い煙を纏い、傘や大砲の形へと変化し次々に多彩な技を繰り出す。あんな武器は見たことがない。 まるで生きているように、最後まで炎神を守り続けた。 折ってしまったのは惜しい気がする。 「おい。終わったぞ」 土方さんに声をかけられ視線を戻すと、凍りついた敵は粉々に砕かれていた。 これで私達を襲ってきた敵は全滅した。 辺りには血の臭いが漂うと共に、次々に死体が薄れて消えていく。 「くそっ。めんどくせえー。ガス欠が近い」 やはり土方さんの命力は底がつきそうだ。 牛若丸と家康を一旦下げるべきか?
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