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柳生が生き返った?そんなはずはない。
(向こうからゆっくりと近づいてきているよ★嘘でも見間違いでもない。あれは柳生だ)
「柳生は死んだはずです。死亡知らせが届いたはず。それは敵の能力だ」
(こっちから攻撃はしかけられないよ★システムにトラブルが起きた可能性はないの?)
その可能性は確かに否めない。
しかし仲間という認識に、判断能力が著しく低下しているのは事実。
「すぐに指示を出します」
確かに死亡知らせの故障で、初めから死んでいない可能性がある。
迂闊には指示が出せない。
違う。もしかしたら、局長に似せた私の爆弾能力や、沖田の隊の五十嵐のような能力の可能性もある。
「向こうが仕掛けてくるまで様子を見ろ」
横から土方さんが迷いのない表情でそう言った。
私はすぐに頷き、DIMに向かって語りかけた。
「セス。よく聞いて下さい。向こうが不審な行動をとるまで、こちらからは仕掛けないようにお願いします」
(了解★こっちは劉備がいなくなったことで警備がかなり手薄になった。これから敵のアジトを制圧するよ♪)
電話が切れ、私は懐にDIMを仕舞い込んだ。
「くそっ。めんどくせえな」
土方さんの命力が底をつきそうな今、私が敵を倒しに行かなければ。
上を見ると、土方さんが凍らせたポセイドンの光線の先端部に人が立っている。
あれが劉備か。
「気付いてるか?」
土方さんはそう言いながら、親指を立てて、後ろを指した。
「──!」
背後からは、もう一人三国志が迫ってきていた。
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