局長と神

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突然現れた高校の同級生。走馬灯のように過去の記憶が甦る。 一瞬で思い出す、はるかの笑った表情。 仁、美沙、はるか、杏奈で遊んだ時の記憶が。 あれから何年も経過しているはずなのに、まるで昨日のことのように。 放課後の夕暮れ時。窓際から差し込む夕陽の光りと乱雑に並べられた机。教室の中央で、机に座りながらギターを弾く杏奈の歌声。 よく皆でその歌を聞いていた。 『いつからか~君が隣に居なくなる時~』 切ない歌だったけど、心に響くような何かがあった。 面影が変わらぬまま、今仁のそばに座っている。 印象的なハーフっぽい顔立ちで、くりっとした大きな瞳。 本当に杏奈だよな? 汚い話だが、杏奈とヒカルは違う。 脳内に焼き付くように、首に巻かれた白いスカーフが目につく。 白いスカーフはメビウスの輪のメンバーである証。 つまり、敵。 杏奈は慌ただしく手を仁にかざした。 光刀がやや警戒したような口調で語りかけてくる。 『能力を使うぞ』
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