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緊張しながらも、突然躍動した体は自分の思い通りには動かず、やや転ぶような形で地面に落ちた刀まで辿り着く。
握り締める光刀から放たれる煙が、すかさず床に入り込み衝撃を和らげた。
刀の柄を握り締めた瞬間に伝わる雰囲気。
何なんだ。この刀は。
『いいぞ。私を鞘に戻せ』
指示により、俺は光刀を鞘の中へ仕舞った。
自分の武器を自然と仕舞う行動に、戸惑いは隠せない。
何をやっているんだ。俺は……。
その様子を見守っていた仁と杏奈と曹操。
これは間違った行動なのか?
わからない。あえて言うならば、本能的な意志と表すべきなのか。
「ふーん。落ちていた武器を拾ってどうするのー?」
曹操は見下すように、上から屈む俺に語りかけてくる。
『ヒャハハハハ!クソ野郎!物足りない俺がわざわざ戦場へ残ったことをありがたく思え!クソ野郎には永遠と届かない力を体感させてやるぜ!』
「何?それ?」
曹操の雰囲気が、完全なる臨戦態勢へと変わったことが肌に伝わる。
『血を見せろ!』
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