局長と神

23/39
前へ
/39ページ
次へ
三国志を……。 それは信長さんの仇にも繋がる。 そうだ。こいつは信長さんを殺した奴だ。 あの時の出来事は、まるで映像のように頭の中で鮮明に残っている。 はるかが殺された時の憎しみと重なり、心が手応えがない何かに染められていくような気がした。 『おいおい!ふざけんな!コラ!力を均等に使えよ!俺様の力の意味がねえだろ!』 たちまち黒い色が広がっていく。 そうだ。敵は容赦なく殺さなければならない。 白煙は薄れ、代わりに黒煙が刀から多く噴射される。 憎悪の塊。憎しみと復讐。 奪われたらやり返す。 「俺が……」 曹操は振り上げることもなく、拳を握って右腕で俺を殴ろうとしていた。 「あー」 泉のように力が溢れていくのが体全体で感じる。これが命力なのだろうか? 曹操から放たれた右ストレート。拳の大きさは体一つ分。 俺は刀を使い、それを真っ向から防いだ。 「こ、いつ……は殺さなきゃ……」 この時、外で新撰組が大虐殺されていることを知るはずもなかった。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1026人が本棚に入れています
本棚に追加