局長と神

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「なっ!」 何が起きたんだ? あんなに膨大な命力を一瞬で潰した? 矢は、水をかけられた炎のように瞬く間に姿を消失させた。 いや……能力を使ったりして小細工で消したんじゃない。 実力で純粋な基礎能力のみでねじ伏せたんだ。 「ば、化け物……」 目の前まで辿り着き、やっと出た声。 セスは力尽きたのか膝から崩れ落ち、地面へと身を伏せた。 俺は敵を警戒しながらも、そんなセスを直ぐ様抱える。 そんな最中、柳生に扮した敵が、徐々にその正体を現し始めた。 輝くローブに身を包み人の形をした化け物。 セスを抱えることが出来たのはいいが、その化け物の雰囲気だけで圧倒された俺は動くことが出来なかった。 「神!」 「神だあああ!」 「やはり神だ!」 途端に周りに立つメビウスの輪のメンバーは、騒がしい歓声をあげた。
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