勝者と敗者

劉備の斬撃から逃れ、大きく距離をとり、僅かな時間を作り出す。

私はその間を利用して、直ぐ様エンプティーインジェクションを注入した。

エンプティーは自分で作り上げる能力。

今ここで敵に対抗する能力が作り出せば、何も問題はないでしょ？

拒否反応？

そんなのに怯えてたら楽しくないですよ。

これで新たな能力を、一つだけ使えるようになります。

最も真の意味で使いこなすのには、時間と努力が必要ですからね。

「インジェクションを使ったのか？まさか、今ここで新たな能力を作り出すつもりか？」

兜の向こうでは、やはり笑っているような感じがします。

「劉備。そのまさかだとしたら？」

劉備は相変わらず剣を構え、殺気を放ち続けている。

私は能力を頭の中で考えた。