勝者と敗者-2

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巨大な傘は、かぐや姫クエストの時、五人で崖から飛び降りる時に使用した物。 『あの時は、はるかが着地間際に翼を使ったからこそ成功したんだ』 そうだったのか。通りでおかしかったわけだ。 『あの時より、さらに高いぞ』 大丈夫。失敗はしない。根拠はないけど、自信があるんだ。 巨大な鉄の傘は風の抵抗を受けて、持っている手が自然と真上に伸びた。 「和也!何するつもりなんだ!」 仁の怒鳴り声で耳に届いてきた。 「和也君!やっぱり私が着地させるから!」 落下は止まることなく、徐々に地上へ近づいていく。 仁と杏奈とは離れた位置へ。二人は地上に誰もいない位置へいくが、俺は群衆の真ん中に立つ敵の真上まできた。 浅葱色の円の真ん中に立つ敵が上を見上げる。 劉備と曹操はこれまでに会ったことがある。 あいつが三国志の孫権か。 仁と杏奈の真下の荒野からは、洪水のような大量の水が噴き出す。 すると、その水はあっという間に二人を包み込んだ。 俺はただ一人、敵を目掛けて落下した。
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