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巨大な傘は、かぐや姫クエストの時、五人で崖から飛び降りる時に使用した物。
『あの時は、はるかが着地間際に翼を使ったからこそ成功したんだ』
そうだったのか。通りでおかしかったわけだ。
『あの時より、さらに高いぞ』
大丈夫。失敗はしない。根拠はないけど、自信があるんだ。
巨大な鉄の傘は風の抵抗を受けて、持っている手が自然と真上に伸びた。
「和也!何するつもりなんだ!」
仁の怒鳴り声で耳に届いてきた。
「和也君!やっぱり私が着地させるから!」
落下は止まることなく、徐々に地上へ近づいていく。
仁と杏奈とは離れた位置へ。二人は地上に誰もいない位置へいくが、俺は群衆の真ん中に立つ敵の真上まできた。
浅葱色の円の真ん中に立つ敵が上を見上げる。
劉備と曹操はこれまでに会ったことがある。
あいつが三国志の孫権か。
仁と杏奈の真下の荒野からは、洪水のような大量の水が噴き出す。
すると、その水はあっという間に二人を包み込んだ。
俺はただ一人、敵を目掛けて落下した。
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