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地上から噴射した水は、仁と杏奈をゆっくりと地上へ運び始めた。
『なるほど。命力で作りあげた物質ならではの可能なことだ。君も早く助けてもらった方がいいんじゃないか。この高さじゃ傘も役に立たないし、失敗するぞ』
大丈夫。元々傘は、着地のために使おうとは思ってない。
『じゃあ何のために?』
杏奈に指示を出して、正確な位置に合わせてもらうのには無理がある。
かと言って、空中じゃうまく身動きがとれないからな。
だから僅かでも良いからスピードを落として、うまく落下位置の微調整を行いたかったんだ。
『確かに、このままだと敵の真上に落ちるみたいだな。それに避けるのには、周りに敵が多すぎて無理だろうな。ここからなら受け止めるしかない。だが着地は失敗するぞ』
いいんだ。着地は失敗しても、攻撃が出来れば。
『狂ったか!?死ぬつもりなのか?』
違う。腕の骨を犠牲にする。
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