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シャルキーと名乗る女性は椅子から立ち上がり、俺と卑弥呼さんを手で小さく招く。
卑弥呼さんは前に進まず、さらにシャルキーへ質問をした。
「何故、ヒカルの名前が最初に?」
「実験、もしくは能力。はたまた気まぐれか?いずれのうちのどれかです」
シャルキーは、謎々を出すクイズ番組の司会者のように余裕たっぷりの口調だった。
このタイミングでヒカルとシャルキーが、赤の他人であることは考えにくい。
ほぼ間違いなくヒカルとの関係者。
大聖堂での出来事を、俺は慌てずに思い出した。
そう。ヒカルの関係者、もしくはチームメイトであることにより、ある謎が急速に心を締め付ける。
「なあ?ユキヤって知ってるか?」
この問いに、シャルキーは明らかに一瞬の動揺を見せたことを、俺は見逃さなかった。
シャルキーはユキヤを知っている。
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