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これが最後のメールになると思う。
今から卑弥呼さんに続いて、屯所の外へ加勢に行くみたい。
三国志が二人いて手に負えないみたいだから、総力戦で迎え撃つみたい。
二人とも死なないでね。
私も生き残るよ
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文面から慌ててメールを打ったのだと、安易に想像することができた。
戦争に参加して欲しくないから一番安全な屯所内に居させたのに、それが完全に裏目に出たってことか。
もっと早く戻るべきだった。
あいつ変に責任感があるから、きっと皆と同じ様に積極的に前へ出るはずだ。
仁はDIMを懐に入れると、大聖堂の出口に向かいながら口を開く。
「和也。美沙を連れ出すくらいは俺達にもできるはずだ」
そうだ。美沙を連れ出すくらいなら、俺にもできる。
失うくらいなら、まだ痛みの方がマシだ。
最前線ではあまりのレベル違いを見せつけられて、何て自分は役に立たないのだろうと落ち込んでいた。
でも周りについていけなくても、
役に立たなくても、
自分の大切な人さえも守れないで、失ってばかりじゃ、
あまりに情けないじゃないか。
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