ウバ-Uva

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誰もいないなら、自力で出るしかない。 プールサイドに戻れば、 見学者が出入りする道はあるけれど、 タオル1枚で歩くわけにはいかないし。 心細くなって、身を振るわせた。 タオルを羽織っているとはいえ、 水気を吸った濡れたタオルだ。 髪も体も、まだ湿っぽい。 「このままじゃ……風邪引いちゃう」 本当に出られなかったら、 それだけでは済まないだろうけど。 「駄目、駄目、駄目っ」 滅入る思考を振り払うように頭を振る。 「とにかく、出なくちゃ」
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