ウバ-Uva

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「あ、開いたぁ」 抵抗無く開いた扉に、 ヘロヘロとしゃがみこんでしまった。 仕方ないよね、気が抜けたんだもの。 「良かったぁ。……あ、急がなきゃ」 クシュクシュッとくしゃみを連発して、 冷えた体を意識した。 更衣室の時計はすでに、 HRが始まりそうな時間になっている。 慌てて立ち上がり、 荷物を入れたロッカーに駆け寄った。 まず乾いたタオルを取り出して、 肩にかかる髪を包んで持ち上げた。 格好は悪いが、毛先から垂れる雫が、 思いのほか冷たいのだ。 「ふぅ」 一息つけた気分。
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