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「後継ぎは、どうかなぁ」
竜也はそんなことをしたいのだろうか。
父親を見つめる彼の目を思い出して、
鞠弥は小さく嘆息した。
いつも淡々としている竜也。
彼の表情を引き出そうと、
鞠弥はいつも一生懸命なのに。
視界に父親を入れた竜也は、
ずっと同じ感情を表に出していた。
その冷たさが、痛かった。
たぶん。
あれは。
『憎悪』
と。
『恐怖』
だったと、思うから。
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