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「もう、やだぁ……」
とっさに走り出した鞠弥は何も考えず、
たどり着いたのはプールの入口だった。
「戻ってきて、どうするの?」
ここから、逃げ出してきたのに。
「意味……ないよ」
荷物は放り投げてきてしまったから、
傘すら差していない。
下着も付けず、ブラウスとスカートに、
濡れたバスタオルを巻いただけ。
こんな、ハシタナイ格好で。
こんな、ミットモナイ姿で。
よりによって、あの人に。
「逢いたく、なかったん……だもん」
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