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ポンポン。
濡れたままの髪に、あの感触がある。
「もう、大丈夫だから」
どうしよう、泣きたい。
ぬくもりにしがみ付いてしまいたい。
「我慢しなくていい」
そんなこと言われたら、もう駄目だ。
「せんぱぁい……」
「いるよ。ここにいる」
ギュッと。
涙腺の崩壊した鞠弥を、
包み込んでくれるあたたかい腕。
「一人じゃない。大丈夫だ」
竜也の優しい熱と声が、
冷え切った心と体を温めてくれた。
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