ウバ-Uva

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「顔は見てきたよ。  芹沢先生と明良が睨みを効かせてる」 ……想像に難くない。 「大きくはしたくない、です」 「ヤツらがしたことは犯罪だぜ?」 「それでも、です」 勝の鋭い視線を受け止めて、 鞠弥は微笑んだ。 シャワー室の扉には、 接着剤が塗られていたのだとか。 下着は、ゴミ捨て場から発見された。 ――切り刻まれた状態で。 「すごい悪意を感じますけど。  でも、殺意とは違うので」 その悪意に別の名前をつけるなら。 嫉妬――だと、思うから。 憎まれることをした覚えはないけれど、 嫉妬を向けられている自覚はある。
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