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「一人にならないよう、気をつけます」
鞠弥がもう一度微笑むと、
綺麗な顔が――2つ、ひどく歪んだ。
2人とも「ごめん」とは言わない。
だって、彼らのせいじゃないから。
その4人だって、
きっと――恋をしている、だけだから。
相手が竜也か別の執行部かは知らないけれど、これは行き過ぎた嫉妬の結果。
みんな。ただ、誰かを好きで。
自分の方を向いて欲しいだけ。
だからって、やりすぎだとは思うけど。
でも――分かるから。
好きすぎて、自分がおかしくなる。
その気持ちが。
すごくよく、分かってしまうから。
だから、責められない。
彼女たちは、
鞠弥の明日の姿かもしれないから。
飲み干したミルクティーは、
最後だからか少し渋く感じられた。
...fin...
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