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竜也の凍て付いた表情が離れない。
せっかく出てきた感情が、
あんなに冷たくて、痛いものだなんて。
やっぱり、悲しいから。
「鞠弥はさ、そのままでいいと思うよ」
箸を向けて鞠弥をクイッと指す。
「先輩のことばっか考えて、
『好き好きオーラ』出してれば。
藤澤先輩はそれが嬉しいと思うし。
なんだったら……」
突然、思わせぶりに、ニヤリと笑う。
鞠弥に向いていた箸が、机の脇、
下げてある水泳バッグに向けられた。
「スクール水着姿、見せてあげたら?
テンション上がって、
写真撮りまくるよ、あの人。絶対!」
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