ウバ-Uva

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****************** とてもとても見せられたものじゃない。 そんな事実を今さら確認し、 胸の内で呟いた。 水泳の授業はレベル分けされている。 当然、鞠弥は初心者クラスで、 運動神経抜群の苑海は上級者クラス。 間にもう2クラスあって、 プールを2レーンずつ使用する授業が行なわれていた。 プールサイドで苑海と別れた鞠弥は、 こっそり溜息をついた。 2学期の頭、つまり9月には、 なんと『水泳大会』が開かれるのだ。 それまでに泳げるようにならなければ、 散々な姿を皆様に曝け出すことになる。 散々な姿。つまり、これだ。 ――腰にヘルパー、手にビート板―― 見るからに、 「泳げません」と訴えているスタイル。 「……いやぁーっ」
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