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家康は少し沈黙してから口を開いた。
「コノマスクデハ毒ハ防ゲナイ。コレ、ボイスチェンジャーダカラ」
威圧感たっぷりながら、家康は伊達の提案を否定する。
そうなのか。あのマスクでは毒が防げないのか。
「まあ、いい」
伊達はそう言いながら、さらに前へ出た。
孫権はそれぞれの組長達を見渡しながら、巨大な針を作り出す。
伊達。気付け。
私は孫権に仕掛けを施した。
あとはそれを発動させるだけなんだ。
倒せるかはともかく、奴に致命的なダメージは与えられるはず。
そのタイミングは、孫権が動けないような状態なのが一番良い。
伊達。その作戦に気付けば、勝率はグッと上がるんだ。
これだけは口に出したら、孫権が気付いてしまう。
「もう大丈夫ですわ。一時的なものですから、後でまた治療しますわ」
卑弥呼さんは私から離れて微笑んだ。
傷が治ってる。
これでもう一度戦える。
「セスは治療しなくてもよろしくて?」
「僕はいい★自分で応急処置はしたから♪」
「そう」
その言葉で、セスは片腕を完全に失ったと悟った。
私、伊達、牛若丸、家康、卑弥呼さんは孫権に敵意を向ける。
これなら勝てる。
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