決着-2

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膨らみきった風船に埋もれながらも、孫権の顔はまだ僅かに見える。 あの爆発的な力は、どうしても良いイメージに繋がらない。 隠された潜在能力を引き出すような優れものならいいのだが、本来の力を圧倒的に上回っていることから、何かしらのデメリットがあるのは明らか。 セスが掌に灯した力は、能力を放つ。 ブラックカーテン。それはセスが頻繁に使う能力であったので、私も良く知っていた。 一人入れるほどの窓枠が空中に現れ、黒いカーテンが下げられて風によって靡く。 ブラックカーテンは“敵との間合いを詰めるために使う能力”と私も聞いていた。 そう通常であれば。 セスの掌の先に現れたのは、これまでに見たことがない大きさの黒い窓枠。 それはセスの背丈と同じぐらいの大きさである。 それに連れて、巨大な黒いカーテンが窓枠に垂れ下がった。 能力が進化している? 何が始まるんだ……。
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