決着-2

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─────孫権───── あの尊くもあり、忌まわしき過去は、10年以上経っても未だに忘れることはない。 おそらく、生きていく上で必要な過去だし、体に滲んだ想い出は私の中では一生残されるであろう。 元々は宗教やら何やらに私は興味があったわけじゃないし、ブラックアウトだって興味本意で始めたわけじゃない。 ただ、ずっと繋がっていたかったから。 今となっては、元の名前より馴染んでしまったが、まだそれよりもずっと前のお話。 私達がまだ10になったばかりの幼い頃。 その日も、私達は小学校の近くにある公園で遊んでいた。 「今日は俺が劉備だからな!」 「じゃあ僕は曹操がいい!」 いつもの遊び。 私達は歴史の授業で学んだ三国志が大好きで、小さな公園で毎日のように、ごっこをして遊んでいた。 ただ、その日はいつもとは違う出来事があった。 いつもなら三人で遊んでいたが、その日は三日ばかり前に転校してきた女の子が私達の中にいたんだ。
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