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大きな瞳に映るのは、紛れもなく俺の刀。虎徹。
神が警戒心を抱いていることは、雰囲気からして間違いなかった。
その刀にさえ気をつければ、私はお前に勝てると言い出しそうな顔つき。
神は異常なまでに、探査能力に長けていると聞いたことがある。
三国志が死んだ?ことに気づいたのも、その探査能力を使ってだろう。
まずいな。それで心力に気づいたのか。
神はいつでも攻撃を繰り出せるのだろうが、何故か動く気配がない。
多分、カウンター攻撃を懸念しているのだろう。
だから、揺さぶりをかけてきたに違いない。
好都合だ。元々、こっちは先に動くつもりだったからな。
神の左手に命力は、攻撃を繰り出した瞬間に容赦なく俺の体を吹き飛ばすだろう。
死と引き換えに勝利を手に入れる?
それも悪くはない。
いくぞ。足の爪先に力を入れて、もう一度虎徹を握り締める。
「来い。近藤。お前の切り札を打ち破り、私はお前に勝つ」
最初から受け入れるつもりか。
溺れていく攻略方法不明のゲーム。
飲み込まれたなら、止まることなく突っ走る。
俺は地を蹴り、神に向けて虎徹を振り下ろした。
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