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─────近藤勇─────
神が従えるポセイドンの口の中には、これまでで一番のエネルギーが溜め込まれる。
さらに神の左手には、吹き飛ばす能力を放つための命力が練り込まれていた。
虎徹に注ぎ込んだ心力。
神は気づいていないはず……。
これが最後だ。腹の傷と腕を失ったことによる出血のせいか、意識が朦朧とし始める。
狙うは神の心臓部。
最悪の場合、俺が死ぬと想定しよう。
それでも……神を倒した後なら、チーム対抗戦には何の影響もないから問題はない。
肝心なのは、神が俺よりも先に死ぬことだ。
一秒でも神が早ければ、戦争は新撰組の勝ち。
その逆なら、メビウスの輪が勝つことになる。
背負った命の重さは同じか。
先に動くべきか。神の動きを見て動きべきか。
この瞬間から、全ての動きが結末を左右することになる。
先に動くべきだな。神が能力を放った直後、全く対処出来なければ、俺の敗北は確定してしまう。
「それがお前の切り札か」
準備を整え終えたのか、神の命力は安定していた。
「近藤。やはりお前は意外性に長けた男だ」
そう言いながら、虎徹へ視線を向ける。
神は虎徹に心力を注いだことに気が付いていた。
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