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神はしっかりと刃の動きを追っているようだったが、まだ動く様子はない。
俺は攻撃を切り替えるために、フェイントを入れてから一度虎徹を引いた。
そこから神の心臓部を一直線に狙い、全力のスピードで突きを繰り出す。
同時に刀に注いだ心力を解放。
神はフェイントに惑わされずに、俺の動きを追えていた。
自分の心臓を狙った攻撃に合わせて、神は残った左手を虎徹の軌道上に運び始める。
ほぼ同時に神も命力を解き放った。
刀を吹き飛ばすつもりか?
虎徹の切っ先が神の掌に衝突する。
激しい衝突音。
神の能力が発動し、虎徹には凄まじい負荷がかかり始めた。
やはり虎徹ごと吹き飛ばすつもりか。
頭上から漂ってくる違和感。
さらにポセイドンのエネルギーで、俺を仕留めるつもりか。
ちょうどその頃、心力の効果が出始める。
青白い光を纏った虎徹の切っ先が、僅か数センチだが神の掌を押し返した。
神。この能力を避けなかったのは大きな失敗だ。
曲げない心。虎徹から放たれた突きなる軌道は、如何なる術を持っても曲げることはできない。
曲がらずに一直線に長けた攻撃だからな。
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