872人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
え?
振り返った際に、思わず体が硬直した。
その殺意は確実に俺達へ向けられていたから。
そう。殺意を放っていることすら、あり得ないはずなのだから。
何で?
あまりに唖然としてしまう光景。
威嚇攻撃をしてきたのは、紛れもなく今、視界に映る人物だ。
そんな中、仁は冷静を崩さずに一人、守るかのように前へ出た。
「和也!美沙!早く杏奈を引き入れてくれ!」
仁は背負った鎌を構え、刃を相手に向けた。
「俺が時間を稼ぐ!」
状況が飲み込めない中、良からぬことなのは間違いと確信した仁の臨機応変な行動は、尊敬すらするものだった。
攻撃をしてきたことは間違いないのだから。
仁は、その事実で十分という様子だった。
「和也!早く!」
美沙に急かされ、慌ててDIMをいじる。
そんなにいけないことをしているのだろうか?
「そこまでですわ」
攻撃をしてきたのは、卑弥呼さんだった。
最初のコメントを投稿しよう!