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卑弥呼さんの手には、黄金に輝く扇が持たれていた。
その扇には羽を広げた孔雀が描かれている。
あれは……。
「敵を引き入れるのは、裏切り行為に当たるってことですよね?」
背後から仁の声が聞こえてきた。
美沙がDIMを操作して、チーム作成の画面を開いた。
それに合わせて、俺もチーム作成の画面を開く。
「その子、メビウスの輪の水神ね?」
元からの友人で、メビウスの輪を抜けることになりました。
それじゃ、信用性がないってことか。
仁は、ピリピリとした空気を醸し出す卑弥呼さんに対して返答した。
「そうです。大切な友達だから。失いたくないから仲間に入れるんです。新撰組には迷惑をかけません。新しいチームを作って抜くんで」
セオリーな仁の説得。
DIMには【二人でチーム名を入力してください。入力終了後、互いのDIMの赤外線を合わせれば、チーム作成完了です】と表示されていた。
その直後、予想外の言葉が卑弥呼さんから返ってきた。
「ごめんなさい。そんなの関係ないですのよ。あなた方がしようとしている行為が危険なのですわ」
空気がさらに凍りつく。
「別に新撰組とメビウスの輪も関係ないですわ」
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