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確か、強制クエストが終わる合図は出てたはず。
それは俺だけだったのか?
卑弥呼さんは、俺が意識を失った後もあの場所に居た?
違う。もう一つある。あの時、一番近くに居たのは卑弥呼さんだ。
もしかしたら、あれは意識を失わされたのか?
そうであれば、強制クエストが終わるまで卑弥呼さんは俺に聞かれることもなく、あいつらと会話出来る。
あいつらと何かを。
仮説ではあるが、そうであるとしたら、あの謎の男と女と何かしらのやり取りがあって卑弥呼さんの心境が変わったのかもしれない。
「────!」
突然、美沙のDIMを持つ手が不自然な強烈な風に流される。
DIMは美沙の手から離れ宙に舞って地に落ちた。
「あら。能力から始めるのね」
卑弥呼さんの冷たい声が響き渡る。
見ると、手に持つ巨大な扇子は扇いだ後のような構えをしていた。
美沙のDIMを吹き飛ばしたのはあれか。
「上手に使えるか心配ですわ。私が考えた“獅子神輿”を。ねえ。仁くん」
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