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駄目だ。それだけは避けなければいけない。
チームの誇りとして、新撰組は誠を貫き通さなきゃならないんだ。
そうだ。心力は尽きたとしても、まだ命力は残っている。
俺は残った命力を、ありったけ虎徹に注ぎ込んだ。
さっきまでとは逆の立場だな。神が吸いとった心力を放ち、俺は命力を使っている。
幸いにも、神が放つ能力は心力によって変わるものではない。
虎徹に纏った炎は、俺が新たに注ぎ込んだ命力によって消失した。
蘇るように再び力を得た虎徹は、再び神の掌を押し返し始める。
これで対抗しても意味がない。再び力の源を吸いとられて、同じような展開になるだけだ。
いや、今度こそ、もうエネルギーは残されていない。
近づくことは出来ず、離れればポセイドンの攻撃でトドメをさされる。
将棋で言えば詰みであろう。
何か。何か策を探さないと。
「──!」
極限まで焦りを覚えた時、ある一つの案が頭の中で思い浮かぶ。
一か八か。これなら神に勝てるかもしれない。
いや、神が先に死ぬかもしれない。
既に迷っている時間はなかった。
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