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「皆の者……すまなかった……」
私についてきてくれて、ありがとう。
劉備、孫権、曹操。
守りきれなかった私を責めるのだろうか?
もしも、あの世が存在するならば。
私は、私と人生を共にした人と永遠に同じ場所へいたい。
メビウスの輪で共に生きた人達と。
『ねえー美香』
それは、忘れもしない胸に刻まれた嬉しかった出来事。
生まれてきてから、ずっと一人だったから祝われたことがなかった。
『誕生日おめでとう』
三人が祝ってくれた誕生日。
きっと、あれが私が求めていた優しさなのだろう。
私が自分に持ってなかっただけで……。
薄れゆく意識の中、私ははっきりと見た。
劉備、孫権、曹操が、私を待っていてくれている姿を。
本当はわかっていた。
私は守っていたのではなく、いつだって守られていたんだ。
そこに行くまで、待ってて欲しい。
今度こそ、私は優しさであなた達に恩返しをするから。
私は三人が待つ場所へ辿り着いた。
また、いつの日か公園で遊んでいた日々に戻りたい。
願わくば、生まれ変わることが出来るなら。
また、この四人で。
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