真夜中の宴

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────ミラ・リンダ──── 騒がしくなった屯所内。私は眠るセスの側にいた。 燃え上がる炎は、これまで死んでいった者への鎮魂曲にすら思える。 今、私に出来るのはセスを守ること。 リミットタイムを使った直後から、セスはずっと眠っている。 担いで逃げることも考えはしたが、これがチーム対抗戦であるならば逃げ出した所で何の意味もない。 そもそも局長を置いて、新撰組を裏切ってまで生き延びるつもりはない。 局長のとこへ行くべきか、この場に留まって新撰組が勝つ事を祈るか。 私は葛藤していた。 新撰組へ侵入してきた敵はたったの六人。 しかし、一人一人のレベルは最低でも一万を超えている。 様々な疑問が思い浮かぶが、今はセスを如何に守るかが考えるべきことだ。 薄暗い室内。十畳ほどの空間。非常に簡素で、余計な物は一切置かれていない。 新撰組を選んだことは失敗だったのだろうか。 ガチャっ 静寂な空間に、扉が開く物音がたつ。 私は扉の方を振り向いた。
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