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『上を見ろ!来るぞ!』
光刀の言葉に従い、直ぐ様、俺は黒い星の方角へ視線を向けた。
消え失せていく巨大な黒い星。
あれは……。
霞行く黒い星が完全に消え去った時、そこから七つの影が飛び立つ。
二つは屯所の外へ。
残りの五つは、一直線に屯所を目掛けて飛んでくる。
屯所を真っ二つにしたであろう人物は、滞空したまま見下ろしていた。
合計8人。ついさっき頭の中で流れたメッセージが全てを物語っていた。
強制チーム対抗戦。それが意味しているのは、間違いなく新撰組へ対する敵意。
滞空したまま見下ろしていた人物は、月の灯りによってその姿が明らかになる。
生きていたんだ。
間違いなく死んだはずなのに。
遠くに見えるその表情。
まるで企んでいた全てを解放するかの様な。
どうやってそんなことをやってのけたのか。
何故そんなことをしたのか。
どうしてこんなことをするのかわからない。
月明かりによって照らされた人物。
『ヒャハハハハハハハ!』
悪魔の木霊が屯所全体を包み込む。
ヒカルは生きていたんだ。
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