真夜中の宴

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家康と牛若丸は俺の両隣に立ち、それぞれの武器を構える。 炎に包まれた道の奥から、ゆっくりとこちらに寄ってくる影二つ。 三国志レベルが二人か。 現れたのは、大人にしては異様に身長が低く派手やかなドレスを身に纏った女と、小学生だと窺えるほどの幼い男の子だった。 幼い男の方は、金属を体中に装着させている。 その重装備から連想するのは、まるでアニメのヒーローの様な格好だった。 ドレスを纏う女はDIMを耳に当てていた。 女は子供を見ながら妖艶な顔つきで口を開く。 「空。敵だよ」 「ルイ姉ちゃん。僕が殺るよ」 一度小さく頷いてから、女は視線を俺達に向ける。 「聞こえる?天海。あんたの言う通り、伊達、徳川、牛若丸を発見したよー」 女は俺達を見ながらも、DIMの向こう側にいる人物に話しかけているようだった。 俺達の名前を知っている? 言葉から予想するに、俺達の居場所を把握しているのか。 会話を聞かれる事は承知の上なのだろう。 「わかった。ヒカルが来る道を作ればいいのね。OK。始末するよ」 子供がゆっくりとこっちに歩み寄ってきた。
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