真夜中の宴

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和也も光刀を抜き、白煙に包まれ始める。 その男は俺達を見ながら、僅かに嬉しそうな表情を浮かべて口を開いた。 「おっ。やっと敵発見」 見る限り男は武器を持っていない。 スーツのズボンに両手を突っ込み、口に煙草を啣えながら、まるで獲物を発見したかの様に瞳をぎらつかせる。 「と、思ったら」 嬉しそうだった男の表情は、何かを企んだ意地悪い顔へと変化した。 「はるかの友達じゃねえか」 一瞬、男が口にした言葉の意味がわからなかった。 「何で……」 はるかの名前を? 「お前が……お前が」 「──!」 和也は何かを悟ったのか、今まで一緒に居た中で見た事がない顔つきに変わった。 それは憎悪に満ちた悪魔に近い顔。 「お前が……お前が!」 男は、和也の豹変ぶりでさえ楽しんでいるかの様に見えた。 「何だ。知ってるのか。お前、はるかと別れた後に駅で俺にぶつかったよな?」 「はあ、はあ」 和也の呼吸が乱れ、男を突き刺すかの様な瞳を浮かべる。 「お前がユキヤかああああ!」 広間には和也の声が響き渡った。
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