真夜中の宴

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AM0:10 新撰組屯所48階は、集会などが行われるためであろう、大人数が入るための広い空間となっている。 中には丸テーブルが幾つも設置されていて、その上には豪勢なご馳走が並べられていた。 重傷を負った人達は集中治療室に入っているらしいが、局長からの命で動ける者は全員その場に集まれとのことだった。 正面の大きな壇上には、一本のマイク。 宴会場のホールには150前後の人が集まった。 俺達四人は、優君とおじさんと一緒にいる。 「いやー!神の攻撃を喰らう寸前の所!目の前にいた隊士の返り血を浴びると同時に、私、気絶したフリをしたんですよー!そしたら、本当にそのまま気絶しちゃったんですけどね」 おじさんは笑ってはいるが、その笑顔は優君を励ますために作られているのだろうとすぐに察した。 一番隊は、優君とおじさん以外は全滅。 もしかしたら、おじさんだって気絶したフリが作り話で、ただ単に運が良かっただけなのかもしれない。 おじさんなりの励まし方なのだろう。 仁と相談した中で、優君や土方さんにも報告出来なかった事が一つあった。 卑弥呼さんのことだ。 もしかしたら、あの時の卑弥呼さんは別人だったのじゃないか? とそんな淡い期待を抱いていたが、やはりどこを見渡しても卑弥呼さんの姿はいない。
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