真夜中の宴

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「今回の戦いで、新撰組は大きなモノを得て、沢山のモノを失ったかもしれない。それはメインストーリーへ行くためには必ず通らなければいけない道だった」 静けさの中、局長の声が響き渡る。 局長の表情は決して勝利に浮かれるものではなく、喋りながらも今回の事を自分の中で受け止めていっている様な気がした。 「ブラックアウトを始めてから、新撰組を結成し早三年。今回の事はこれまで乗り越えてきた中で何よりも大きな山だった。それでも、何とか乗り越えられたのは皆で力を合わせたからだと思っている」 隣に優君の顔を見ると、どことなく悲しそうな顔をしていた。 これまでの事を思い返して、複雑な気持ちにとらわれているのだろうか。 「これは終わりではない。今日までブラックアウトをクリアするために頑張ってきたのだ。単なる通過点にしか過ぎない。それでも……」 局長の手には土方さんから、グラスが渡された。 テーブルの上に並べられたグラスを、それぞれ手に取り始める。 「強い心を持って戦ってきた仲間達に。そして、誠意を持って我々と戦ったメビウスの輪に!」 グラスは高々と上げられる。 「献杯!」
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