絶望の淵

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そして今。 フセインのイラン戦闘区域宣言の後迎えた朝、メヘラーバード国際空港の滑走路には、イランから比較的近い国の救出用航空機がイラク軍からの攻撃を受ける危険を伴いながらも次々と着陸していた。 自国からの航空機が到着したという知らせを受けた人々が歓声を上げ、ターミナルから航空機へ乗り込んでいく。 まだ国から救助が到着していない人々も、本国から航空機派遣の報告は受けているようで、その表情からは希望を持っている様子が窺える。 ーーただ一国。 日本国を祖国にする人々を除いては。
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