バトンのその先に

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 廊下を抜け、案内された和室には、一人の男が待ち構えていた。 「久しぶり」  そう言うと、あちらも同じように返事をする。見知った仲とはいえ、長く会っていなかった為気恥ずかしかった。 「そう言えば、あの子は?」  そう尋ねると、人差し指を口に当て静かにしろとジェスチャーをよこした。 「あぁ、寝てるのか」  納得。  では先に済ませてしまおうと、男の目指す部屋がどちらかを聞くと、そちらに物音が出ないようにそっと動く。  どうやらすぐ右隣りの、襖を開けた場所らしい。
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