バトンのその先に

4/4
前へ
/152ページ
次へ
 命のバトンは繋がれた。それも壊れたバトンではなく修理されたバトンで。  何時しか二人は仏壇に立てかけられた二つの写真を眺めた。  職人気質が表情に現れているような老人と、もう一つは赤子を抱いた女性の写真だった。 「そろそろ、娘が起きる時間だ」  男はそう言い立ち上がると、振り返った瞬間に襖が開いた。  そこには小さな女の子が立って居た。 「お父さん、おはよう」
/152ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加