始まりの合流地点

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「じゃあ、夜に編入するか?」  教師は、何事も無かったかのようにそう言った。  ただ、その時。  自分はそれが救いのようにも、呪いの様にも思えた。 「どうせそうするしかないんだろ?」  開き直ったかのようにそう言ったが、教師は頭を抱えたまま。 「これでも大温情だぞ…………これ以上ないってくらい」  そんなもん知るか。  厄介払いしたかっただけのように思えた。  そうやって人に流されて生きていくしかないと思った。  どうせ守る物も守られることもない。  安っぽい人生だと、その時は勘違いしていたのかも知れない。
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