始まりの合流地点

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 普段は通らなかった廊下を歩く。時折、ミシミシと音を立てるほど廊下も老朽化が進んでいた。  場所こそ、高級住宅街の中にある学校だったが、建物自体の景観保存の為、あまり改装もされていないとか。  地元の人間がそれを望み、子がまたそれを繰り返す。  内装は徐々には変わったが、自分の子供にも同じ学び舎で学んで欲しいと思う親は決して少なくない。  恐らくではあるが、今だけ新旧折衷な感じの学校だった。 「此処だ。挨拶はまぁいいか、端的な感じで。今日は取りあえずどんな感じか居るだけで良いぞ。じゃ、呼んだら来てくれ」  そう言い教室の扉をスライドさせる。ドアだけやけに新しく、最近取り換えたのがすぐに解った。 「今日は、このクラスに新しく仲間が出来る。じゃあ、来たまへ」  教師は、手招きをするとそのまま、神崎に自己紹介するように促した。
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