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「 ほ… 本物…!? み、雅さん? そ、その銃… て、本物だよね!?」
恐らく。本来ならばもっと確認しなければならない事は山程ある。
…が。
余りにも突発的に放たれた…嫌。 "発砲"された。
俺へと向けられた、明らかなる殺意に対して。
一気に青ざめ動揺した俺から出た言葉は、彼女がその手に携えた物への"確定された疑問"だった。
そう、だから"確認"。
…すると。
「 何を寝ぼけた事を言っている? 本物に決まってるだろう? 偽物-オモチャ-じゃ、ちゃんと殺せないだろう?」
彼女は、まるで「お前は馬鹿か?」とも、本気で言いた気た様に呆けた顔で即座に答えた。
( ま…マジっすかぁ~? )
改めて状況を理解し始めた俺の周囲を緊張感が支配する。
「 まッ、待て、待て、待て、待て 。嫌! 待って下さい雅さん!!」
気がつけば彼女の人差し指が銃の引き金(で、イイのか?)に再度掛けられていた。
「 何だ?さっき腹を括ったんじゃ無かったのか?命乞いなら聞かないぞ?」
( うん。それは、お互いに勘違いいっす。チキンな俺がするわけないでしょ?)
「 あ~、っと。その、なんだ。突然「死ね!」とか言われても、何が何だか解らないっすよ!取り敢えず、恨まれる覚えは腐るほどあるけど、殺されるほどの覚えはないっすよ俺?」
ハイ。これも言わゆる"命乞い"と言うのだろう。
「 はぁ、何だそんな事を考えていたのか?」
呆れた。とも受け取れる彼女の発言。やはり頭のネジがぶっ飛んでいる。
「 あ、当たり前じゃないっすか?理由-ワケ-も解らず殺されちゃ堪ったもんじゃないっスよ?」
俺は必至だった。兎に角、必至だった。
それもその筈。
僅か数秒後の"取り返しの付かないであろう終わりの未来"が、この瞬間の"間-マ-"。
彼女との、やり取りにかかっているんだから!
「 まぁ、何だ。それを聞かれて私が話すと思うか?」
( はい… 思いません(泣))
「 はぁ~。まぁ、敢えて言うなら。この世界の何処かで、お前を殺したいと思う奴は確かに存在し、ソイツが私に"それ"を依頼した。そして私はその依頼を受理した事で、それがそのまま私の仕事となって、今。お前の目の前に私が居ると言うことだ。だから、理由をお前に語るのならば、やはりお前が死ぬ理由とは、『それが私の仕事だから』だ!」
( 終~了 ~。)
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